太陽光の買取価格が半分に!?経産省が方針発表

ソーラー関係

2020年代半ばをメドに太陽光の買取価格を半分以下に引き下げる方針を固めた。

2018年9月13日、経済産業省から衝撃的発表がありました。

ただでさえ下がり続ける買取価格がさらに下がる。しかも半分以下に。

果たして今から太陽光発電を導入して儲かるのか?

今回は固定価格買い取り制度について考えてみたいと思います。

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今回の発表の内容は?

太陽光などの再生可能エネルギーの普及を促進するため、電力会社は発電事業者からの電力を国が決めた価格で一定期間買い取ることが義務付けられています。
これは固定価格買い取り制度(FIT)というもので、2012年から開始された制度です。

当時は設備の導入費用がまだ高かったので、買取価格も
 10kW未満の設備:42円
 10kW以上の設備:40円
とか高額でしたが、設備価格の下落に伴って次第に引き下げられ、2018年では
 10kW未満:26円
 10kW以上:18円
まで下がっています。

これを
 10kW未満が2025~2027年に11円
 10kW以上が2022~2024年に8.5円
まで引き下げるという衝撃的な発表でした。

大幅引き下げの目的は?

今回の衝撃的発表。
その目的はどうやら「国民負担を軽減する」ことにあるようです。

電力会社が再エネ電力を買い取る費用は、国民が払う電気料金に上乗せされています。
ようは電力会社のふところは痛まず、各家庭が広く薄く負担しているんですね。

電気料金の明細がお手元にある人は「再エネ発電促進賦課金」という項目を探してみて下さい。
そこに記載されている金額が、あなたが毎月負担している金額です。

まぁまぁの金額を取られていると思います。

再エネが増えれば増えるほどあなたの家庭の負担もどんどん増えます。
今回の発表からも、さすがにこれ以上は負担を強いることができない、という状況になってきているのではないかと思います。

今後太陽光を導入して儲かるのか?

買取価格が年々すごい勢いで下がり続けていますが、これから太陽光を導入しようかと考えている人もまだまだいると思います。

買取価格が現在の半分以下に!なんてニュースを見たら、太陽光はもうお終いなんじゃないかと、そう思ってしまいますよね。

実はその通りなんです!
僕的には、これから太陽光を導入するのはあまりおススメしません。

なぜなら儲からないから。

もの凄くアバウトにですが計算してみましょう。

2018年現在、太陽光設備を導入する費用は大体国産メーカーパネルで26万円/kWほど。

一般家庭に多い6kWのソーラーを積んだ場合。

設置費用は26万円×6kW=156万円。

対して売電収入は、単価26円で10年間なので、

1200kWh×6×26×10=187万円ほど。
(1kWあたりの年間発電量1200kWhとしています。)

差し引き31万円ぐらい儲かる計算になります。

自家消費0、出力抑制義務なしの単価で計算していますので、実際は多少増減がありますが、大体感触的にはこんな感じです。

10年間で31万円というと、年間で約3万円。
毎月に2500円ぐらい儲かる計算です。

月に2500円を稼ぐために、故障と雨漏りリスクを背負って煩雑な手続きのもと太陽光設備を付けるメリットはほとんどありません。
31万円なんて、設備が一回故障すれば一瞬で吹っ飛ぶでしょう。

海外製パネルや10kW以上を選べばまだ選択肢は多少増えますが、

今後10kW未満で太陽光を導入するメリットは限りなくゼロに近づいていくでしょう。

なんでこんな事になっているのか?

そもそも、なんでこんなイケてない事になっているんでしょうか。

僕なりにこれまでの再エネにかかわる流れを整理してみました。

①諸外国に再エネ普及率上げます!と大口叩く
 ↓
②明らかに高単価な買取価格にて制度がスタート
 ↓
③金持ってる人から投資案件として参入、設備価格の下落と共に参入者増加
 ↓
④制度の悪用、電力会社の受け入れ容量不足、各家庭の金銭負担などが表面化、一気に社会問題に
 ↓
⑤制度の見直し、ルール変更により申請にかかる国側の処理遅延、クレームの嵐
 ↓
⑥将来的な単価の大幅引き下げを発表(←今ここ)
 ↓
⑦太陽光ブームの終焉(予想)

明らかに事前の調査が甘いと言わざるを得ないでしょう。
単価だけ押さえて設備費が下がるまで工事をしない人とか、普及率によって電力会社の設備容量が不足する件とか、
調べて考えれば予測は出来たはずです。

どうも行き当たりばったりで対応が後手後手に回っている印象を受けます。

そしてこのタイミングでのこの発表。

過熱してきた太陽光ブームに終止符を打つべく、国民感情を太陽光から遠ざけようとしているようにも取れます。

今後太陽光を導入する人は激減するでしょうし、実際メリットもどんどん少なくなっていくと思います。

まとめ

買取価格は今後数年間で大きく下がることが予想されます。

今回は詳しく触れませんでしたが、今後の契約分については「出力抑制無制限」が原則になるでしょう。
簡単に言えば電力会社の判断で買い取りをストップできる、しかも時間無制限に!という事。

設備価格が同じぐらいの勢いで下がってくれれば良いですが、現時点で結構安くなっているのでどこまで下がるかは正直未知数です。

今後は、基本的に太陽光設備の導入はおススメできないフェーズに突入している感があります。

これから先太陽光設備を導入しようと考えている人は、十分にシミュレーションを行って、納得してから導入する方が良いと思います。

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