80万円値引きしてくれたんですけどもう契約しちゃっていいですかね?
120万円値引きしてくれたんですけどもうちょっと値切ってみてもいいでしょうか?
相見積もりをとって値引きを重ねていくとこういう疑問が沸き上がってきます。
・果たして適正な値引き額なのかどうか?
・どのタイミングで契約すればいいのか?
値引いてくれたはいいけど、その先どうすればいいのか判断に困ってしまう人も多いでしょう。
値引き交渉はお互いにデリケートな部分をつつき合う行為なので、決断のタイミングを失敗すると信頼関係にヒビを入れてしまうことになります。
家づくりの長く険しい道のりを共に歩むパートナー契約を結ぶわけです。
お互いが気持ちよく交渉を完結できるよう配慮する必要があります。
今回の記事では僕が経験してきた内容と一般論を踏まえて、値引き額の相場と契約タイミングについてのポイントをご紹介します。
この記事を読めばあなたが気持ちよく家づくりをスタートさせるのにとても役立つでしょう。
それではいきましょう!押忍!!
適正な値引き額と契約のタイミングについて
まず最初に結論書いてしまいましょう!
マイホームの値引き額は3~10%ぐらいが相場だと思っておきましょう。
2500万円の家の場合、金額にすると75万円~250万円になります。
実際、その時々によって結構幅があるものなんです。
かなり突っ込んだ交渉をしてもせいぜい10%ぐらいが関の山。
あまりやりすぎるとWin-WinではなくWin-Loseになってしまいます。
現実的には6%を超えてきたら、もういつ契約しても充分満足いく結果と言えるのではないでしょうか。
契約のタイミングについても6%ぐらいの値引き率を一つの目安とするといいです。
・あっさり6%ぐらいに達したときはもうひと超え頑張ってみる!
・かなり押し問答があって6%程度になったときはもうそこで契約!
といった感じです。
それ以外にも、
2~3回値引きを重ねても全然安くならない場合や、2回目以降でガツンと値引いてきた時はそれ以上引っ張らない方がいいです!
値引き額が小さい場合はそもそもそんなに値引く気がない(あまりあなたと契約したいと思っていない)と思った方がいいですし、途中でガツンと値引いてきたときは「もうこれで決めてくれよー!」という気持ちがこもっている場合が多いので、それ以上要求していくとギクシャクしてしまいます。
ではここからさらに詳しく見ていきましょう!
通常の値引き交渉の流れは
一般的に値引き交渉をしている時の値引き額は、最初が一番大きくてだんだん小さくなっていくのが普通です。
1回目の値引きが80万
2回目で40万
3回目で20万
といった感じですね。
その方が”キツイけど頑張ってる感”がでますので。
普通の営業マンなら大抵この法則にそって下げてくるハズ。
ちょっとここで2つの例を見てみましょう。
あなたは見積金額2500万円の家を値引き交渉しています。
何とかできるだけ安く買いたいので、3回ぐらい値引きを重ねてメーカーの許容できるギリギリラインの値引きを引き出したいと考えています。
- ケース1
トモクラ
これ、もうちょっと安くならないですかねー?
営業マンうーん、では-80万円でいかがでしょう?
トモクラもうひと超え!なんとか頼んます!
営業マンうむむ。。。ちょっと待っててくださいね。
・・・お待たせしました!ではさらに-40万円で!
これでどうです?もう決めちゃいましょうよ!トモクラおぉ!かなりイイですねー!
でも実は他社はもうちょっとだけ安いんですよ・・・
個人的にはお宅でやりたいんですけど。やっぱ他社が少しだけ安いんですよねー。。。
もうこれで決めますから、あとちょっとだけ何とかならないですか??完全勝利で気持ちよく決断させてくださいよ(笑)営業マンうむむむむ。。。わかりました!僕も漢っス!
さらに-20万円!!
もうほんと赤字ギリギリの限界なんで。これでお願いします!!
- ケース2
トモクラ
これ、もうちょっと安くならないですかねー?
営業マンうーん、では-80万円でいかがでしょう?
トモクラもうひと超え!なんとか頼んます!
営業マンうむむ。。。ちょっと待っててくださいね。
・・・お待たせしました!ではさらに-40万円で!
これでどうです?もう決めちゃいましょうよ!トモクラおぉ!かなりイイですねー!
も実は他社はもうちょっとだけ安いんですよ・・・
人的にはお宅でやりたいんですけど。やっぱ他社が少しだけ安いんですよねー。。。
もうこれで決めますから、あとちょっとだけ何とかならないですか??完全勝利で気持ちよく決断させてくださいよ(笑)
営業マンうむむむむ。。。わかりました!僕も漢っス!
さらに-80万円!!
もうほんと赤字ギリギリの限界なんで。これでお願いします!!!
この2つのケースの違いは「3回目の値引き額」。
・ケース1の場合は80+40+20=140万円の値引き。
・ケース2の場合は80+40+80=200万円の値引きです。
どうですか?
ケース2の方だと、
「あれ?意外といけるんじゃん。あと20~30万ぐらいは安く買えたかもな」
って思いませんか?
両方比べて金額だけ見るとケース2の方が圧倒的におトクなんですが、実はケース1の方が満足度は高くなります。
実際の交渉ではケース1の結論が得られた時に、ケース2は存在しません。
例え、本当の赤字ギリギリラインがケース2だったとしても、それは気付きようがないのです。
ケース2のように最終的にガツンと安くされると、
「もっといけたんじゃないか?」
という感情が生まれて満足度が下がる傾向があります。
実際どんだけ利益とってんだよ(笑)って思いますよね。
逆に、「もうほんとキツイんですよ。これで何とか勘弁してくださいね!」と言いながら値引きしろが小さくなっていけば、本当にギリギリでやってくれている感が出ます。
値引きに限らず交渉事って、お互いが譲歩している感を出せば出すほど、妥協点を必死で見つけた感じがして満足度が高まります。
そのためにも譲歩の幅は次第に狭くなっていくべきであり、多くのプロのネゴシエーター達はここを意識して動いています。
ところが、ケース2のようにあえて妥協点を途中でずらすことで決めに来る手法もあります。
ここが難しいところであり、また面白いところでもあるんです!
イレギュラーな交渉の流れもある
交渉の満足度を高めるためには、一般的に値引き額は次第に小さくなっていく事をご紹介しました。
しかし、必ずしも毎回こうなるとは限りません。
時にはケース2のように、これまでの値引き額を大きく上回るインパクトのある問答無用のストレートパンチを打ち込んでくるケースもあります。
もうこれで決めてほしい!と言わんばかりに。
最後の最後で特別感を強調するために値引き額を大きくするんです。
このインパクトパンチは、相手からの「もうこれで最後ですよ!」サインでもありますので逃さずキャッチしていきたいところです!
気付かずにさらに値引きなんて言っていたらさすがに流れが悪くなること間違いなしです。
これが出るときって、交渉の流れが明らかに変わります。
・これまでは論理的に値引きの根拠を言ってくれていたのに、急に「意地ですわ!」みたいなことを言ったり。
・逆にそれまでの値引きは特に大きな理由もなかったのに急に社内の事情などを理由にして下げてきたり。
逃すぐらいなら利益が多少少なくても契約してもらおう!
その方がいい!
こういった状況に多いのではないかと思います。
この「最後の大幅値引きの当たりくじ」は、特に他のメーカーとの相見積もりをやってた方が引きやすいと思います。
ライバルがいた方が当然燃えますので!
さらに四半期とか年度末とかは、売り上げ目標達成のため多少無理してくれたりするケースも多いので、最後のひと押しのタイミングをそこに合わせるのもポイントだったりします!
実際僕が経験したこのラッキーパンチは以下の記事を読んでみてもらえれば状況が良くわかると思います。
今回のケースでは、もう見積もり比較で勝敗が決した後に、負けたメーカーがダメもとで全力バズーカを撃ってきた感じです。
企業間取引で例えるなら、競争入札で見積もり開封して受注が決まった後で、失注メーカーが反則玉打ってきて結果が覆るという事。
さすがに乗り換える決断は僕にはできませんでしたが、本当に金額の損得だけで判断するなら後味は悪くなるかもしれないが乗り換えるもの一つの選択肢だとは思いました。
値引きはあくまで企業側からの譲歩。やりすぎ禁物!
最後にここにも触れておきましょう。とても大事な部分です!
住宅メーカーの本質は営利企業です。
材料を仕入れて家を建てる。
そこにかかった材料費や人件費に利益を乗せて僕たちに家を売っています。
利益が出ないと従業員の給料も払えないし会社も維持できないので当然と言えば当然ですよね。
僕たちは一人では家を建てる事が出来ないので、”住宅メーカーという家を建てるサービスを提供している企業”にお金を払って、自分たちの代わりに家を建ててもらっている訳です。
サービスを提供するメーカーとサービスを受ける僕たち施主。
この関係はあくまで対等であるべきです。
サービスを受ける代わりに、企業の存続に必要な利益分のお金を上乗せして払うことは当然と言えます。
一般的に値引きはどの業界でも当たり前のように行われていますが、値引くにしても限界はあります。
利益の出ない仕事ばっかりだと企業がつぶれてしまいますので、会社としてはできるだけ高く売りたいと思っているのが本音。
値引きをやりすぎるとその仕事は全くうま味のないやっつけ仕事になってしまいます。
当然仕事は粗くなり、手抜きや欠陥が出る可能性も上がるでしょう。
家づくりは多くの人にとって人生で一回ですので、あなたが再びその住宅メーカーのリピーターになる可能性も限りなく低いでしょう。
そういう背景からも、メーカー側が自分たちの利益を大幅に削ってまであなたに家を売る理由はありません!
不当なほど暴利を貪っているメーカーは別として、一般的な優良メーカーは家を建てて経費を引いて、なおかつ自分たちの会社が適切に成長していけるぐらいの利益設定を行っているはず。
(多少は値引きしろを考慮して金額設定はしているでしょうが・・・)
メーカーからあなたに対して行われる値引きは、
いわば企業からの譲歩とも言えると思います。
こういう精神を忘れずに値引き交渉に臨むと、見当違いの発言や要求をしてしまうことなく話し合いもスムーズにいくのではないかと思います。
まとめ
今回は値引き額の相場と契約のタイミングについてお伝えしてきました。
交渉事に100%はないですが、今回お伝えした内容を頭に入れておけば比較的スムーズに気持ちの良い交渉が出来るでしょう!
最後に要点を再度まとめておきますね。
・値引きは3~10%ぐらいが相場。
・6%を超えてきたら、もういつ契約しても満足いく結果と言えるでしょう。
・2~3回値引きを重ねても全然安くならない場合や、ガツンと値引いてきたときはそれ以上引っ張らない方がいい!
・値引き幅は次第に小さくなっていくのが普通
急に大きく値引いてきたら決断どき
・値引きは基本的にメーカーからの譲歩、やりすぎ禁物!
こういったポイントを踏まえたうえで、値引き交渉に臨むようにしましょう!