ウォークスルークローゼットって聞いた事あるでしょうか?
生活スタイルの変化とともに求められるクローゼットの在り方も変化してきています。
一昔前まで洋服は、部屋や押入れに置いたタンスにしまうのが一般的でした。
その後は、部屋になっていて中に入れるタイプのWIC(ウォークインクローゼット)が流行りだしました。
近年では、扉が2ヶ所あって通り抜けが可能なタイプのWTH(ウォークスルークローゼット)というものが注目され始めています。
クローゼットは毎日使う服などを主に収納します。
この配置を間違えてしまうと、とても生活しにくい家が完成してしまうので気をつけましょう。
今回は、このクローゼットの最適な配置の仕方ついて考えていきたいと思います。
(※この記事では納戸などの一般的な収納は省いて、あくまで洋服をしまうクローゼットのみに焦点をあてて考察しています。)
それではいきましょう!
まず始めに結論を書いてしまうと、
・WICはなし
・WTCが1Fに1ヶ所
・あとはクローゼット
です。
ポイントはWICではなくWTCとしている点と、
そのWTCを1Fに配置している点。
各部屋にはほとんどの人が当然のようにクローゼットをつけるでしょうから、上記2つのポイントが重要になります。
1Fに配置すると書きましたが、正確には「生活拠点となる空間のある階」に配置するのが良いです。
我が家も含め、多くの方にとって普段の生活拠点はLDKだと思いますし、1Fに配置するケースが多いでしょう。
もちろん、LDKが2Fにあるよと言う人はWTCも2Fに配置するといいでしょう。
ではここからは、その理由についてみていきますね。
なぜWIC(ウォークインクローゼット)ではダメか?
一時期ものすごく流行ったWIC。
マイホームを建てる人のほとんどが採用したでしょうし、最近ではマンションや賃貸物件などにもWICを配置したものが多く見られるようになりました。
これほどまでに流行ったWICの何がいけないのでしょう。
理由は2つあります。
それは、
・占有面積に対して収納力が少ない
・行き止まり
という点です。
WICやWTCは普通のクローゼットと違って、人そのものがクローゼットの中に入る事が出来る構造をしています。
という事は当然、人が歩くためのスペースが必要になりますよね。
普段人が出入りするため、そのスペースには何も置く事が出来ません。
これは正直ちょっと勿体無い。
WTCにはまだ通り抜けて別の部屋に行けるというメリットが生まれますが、WICはただの行き止まりです。
本当にあなた自身がクローゼットの中に入る必要はあるでしょうか?
正直、僕は全くないと思います。
よく映画の中でセレブな女性たちが絨毯敷きのクローゼットの中でソファに座ってドレスを選ぶシーンなんかがありますよね。
実は僕も、家づくり最初の頃はWICを採用しようと考えていました。
あの世界観に憧れていたんですね。
でも一般家庭で作れるクローゼットってせいぜい2~3畳。
中にソファーなんて置けませんし、そもそも狭いです(笑)
間取りの都合上、どうしてもスペースが余ってWICしかない!というケース以外は、あえてWICを選ぶ必要は無いんじゃないかと思うところです。
なぜWTH(ウォークスルークローゼット)が必要か?
別記事で紹介した洗濯を最適化する間取りのためには洗濯室からクローゼットへのアクセスが必須となります。
そしてクローゼットにはもう一つ、LDKからのアクセスも必要です。
ちょっと着替えを取りに行くのに、いちいち洗濯室を経由して行くのはメンドクサイですから。
ということは必然的に入口が2ヶ所あるクローゼットが必要になるんです。
これがウォークスルークローゼット。
入口が2ヶ所ある事で、家の中を回遊する事が可能になり、その時行きたい場所へ最短経路でたどり着く事が出来るというメリットも生まれます。
面積あたりの収納力を見た場合は、やはり人が入る必要のないぶん普通のクローゼットの方が収納力は多くなります。
僕が基本的にクローゼットを進めている理由もコレです。
しかしWTCには単なるクローゼットとしての役割に加えて、異なる部屋同士をつなぐ「廊下」としての役割もあります。
使い勝手の良い住みやすい間取りを考えた時、たとえ収納力を多少犠牲にしてでも、この「クローゼット+廊下の空間」はかなり使いやすいパーツになります。
ハンガーポールは2段にすべし!
WICやWTCは人が通る空間を確保しなければならない関係上、どうしても収納力が落ちてしまう傾向がある事は先にお話ししました。
空間を大きくすればその問題は解決するんですが、なかなかクローゼットのために何畳も贅沢な空間を取ることも難しいでしょう。
そんな時は、洋服をかけるハンガーポールを2段にすることを検討してみたらいいと思います。
ポールを2段にすることによって、かけられる服の数は倍になります。
限られた空間で収納力を大幅に増やす事が出来るテクニックです!
2段にする時に気をつけておきたいポイントは、
・床から1段目、1段目から2段目までの距離
・1段目のポールの太さ
の2点です。
ポールの高さは吊り下げる服などの長さを想定して決めてやる必要があります。
上段のポールの高さが決まると、その上につく棚の高さも決まりますが、あまり高すぎると天井とのクリアランスが無くなって使いづらくなるので注意が必要です。
また、下段のポールは上段と違って途中で支えるものがなく、左右の端っこのみで全体を支えるようになる場合が多いので、上段のポールよりは太くなります。
ポールが太すぎると、物によっては掛けられないハンガーも出てきます。
全部同じ太さのポールにしたい場合は途中で壁を作ってポールを支えてやるなどの工夫が必要です。
ちなみの我が家では
1段目のポール:床から98cm
2段目のポール:1段目のポールから103cm
2段目のポール上の棚:床から210cm
1段目のポールの方が若干太い
となっています。
ズボンやコートなどの長いものはそのままは吊るせませんが、L字に配置されたハンガーポールの片側のみを2段にして、長いものは1段の方にかけるようにしています。
まとめ
最後に改めて要点をまとめておきましょう!
WIC(入口が一ヶ所のクローゼット)は勿体無い。
人が中に入るためのスペースが必要になるので、占有面積の割に収納力がイマイチ。
WICを選ぶならWTC(入口が二ヶ所のウォークスルークローゼット)の方がいい。
これは通路も兼ねて二ヶ所からアクセスできるメリットがある反面、収納力は落ちる。
ハンガーポールを2段にしたりして、マイナス面をカバーすべし!
クローゼットを考える時、
①普通のクローゼットではだめか?
②WTC(ウォークスルークローゼット)ならどうか?
③WIC(ウォークインクローゼット)しかないな・・・
の順番に考えるといいでしょう。
何となく流行っているからとか、カッコいいからという点でWICを選ぶときっと後悔する事になります。
僕の考える理想の間取りは
WICはなし
WTCが1Fに1ヶ所
あとはクローゼット
です。
間取り次第では必ずしも実現できるとは限りませんが、参考にしてらえれば幸いです。